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なるほど家づくり

家の収納計画|「量」より「場所」で考える、片付く家のつくり方

新しい家に引っ越して数か月後、「収納が足りない」と感じる方は少なくありません。図面の段階では十分に見えたのに、住み始めると物があふれてくる。よくある話です。

この記事では、収納を考えるときの基本的な考え方と、場所ごとの注意点をまとめました。収納は面積の問題に見えて、実のところ配置の問題です。

収納は「量」より「場所」

収納の失敗でいちばん多いのは、量が足りないことではなく、使う場所と収納の場所が離れていることです。

大きな納戸を作っても、そこまで持っていくのが面倒なら使われません。結果として物はリビングに置きっぱなしになり、「収納が足りない」という感覚になります。

原則はひとつです。使う場所のすぐ近くにしまう。これだけで、片付く家かどうかが決まります。逆に言えば、この原則を外した収納は、どれだけ大きくても機能しません。

場所別に考える

玄関

玄関に置きたいものは、想像より多いものです。靴、傘、コート、ベビーカー、自転車の空気入れ、宅配便のハンコ、部活やスポーツの道具、お子さまの外遊びのおもちゃ。

土間収納(シューズインクローク)を設けると、汚れるものをそのまま置けます。ベビーカーやアウトドア用品を想定しているなら、幅と奥行きを実物で確認してください。カタログの寸法だけでは判断できません。

また、玄関のすぐ横にコートをかける場所があると、上着をリビングに持ち込まずに済みます。花粉やほこりを室内に入れない効果もあります。

キッチン

食器、調理器具、食品ストック、ゴミ箱、家電。キッチンは家の中でもっとも物の種類が多い場所です。

見落とされがちなのがゴミ箱と家電の置き場です。炊飯器、電子レンジ、電気ケトル、トースター。それぞれにコンセントが必要で、蒸気の逃げ場も要ります。図面に「家電置き場」と書き込んでおいてください。

ゴミの分別をいくつに分けるかも、先に決めておく必要があります。東松山市の分別区分に合わせて、必要な数のゴミ箱が収まる幅を確保しておくと、後で困りません。

洗面脱衣室

タオル、下着、洗剤、掃除用品、ドライヤー、化粧品。狭い割に物が多い場所です。

ここに家族分の衣類をしまえるスペースを作れると、洗濯動線が劇的に短くなります。「洗う・干す・しまう」が同じ場所で完結するからです。

ただし面積は必要です。2畳ほど余分に取れるかどうかが分かれ目になります。他の部屋を少しずつ削ってでも確保する価値があるかは、洗濯の量によります。

リビング

リビングに物が出しっぱなしになるのは、そこで使う物の居場所がないからです。

書類、文房具、爪切り、体温計、リモコン、充電ケーブル、お子さまのおもちゃや学用品。これらをしまう場所をリビングの中に作っておくと、片付く確率が上がります。

壁面収納やカウンター下の収納が有効です。扉付きにするか、オープンにするか。見せたくないものが多いなら扉付き、出し入れの頻度が高いならオープンが向いています。

寝室

衣類が中心になります。ウォークインクローゼットを設ける方が多いのですが、注意点があります。

ウォークインは人が歩く分の面積が必要で、同じ面積の壁面クローゼットより収納量は少なくなります。歩く快適さを取るか、量を取るか。ここは好みが分かれます。

衣類の量が多くないご家庭なら、壁面クローゼットのほうが効率的です。実際に今お持ちの衣類の量を測ってから決めてください。

階段下・小屋裏

階段下は使いにくい形になりがちですが、掃除機やストック品の置き場として重宝します。奥行きが深いと奥の物が取れなくなるので、浅く広くが基本です。

小屋裏収納は、季節物やめったに使わない物の置き場に向いています。ただし出し入れに梯子を使う場合、重い物は現実的に上げ下ろしできません。何を置くかを先に決めてから作ってください。

パントリーは必要か

食品ストックを置く小部屋です。あると便利ですが、面積を使います。

判断の基準は買い物の頻度です。まとめ買いをするご家庭なら価値がありますが、こまめに買う方には持て余す場合があります。

迷うなら、キッチンの一角に可動棚を設けるだけでも十分なことがあります。まず小さく始めて、足りなければ後で棚を足すという考え方もできます。

可動棚にしておく

収納の棚は、できるだけ高さを変えられる可動棚にしておいてください。

固定棚は、そこに入る物のサイズが決まってしまいます。暮らしは変わります。お子さまが成長すれば持ち物も変わりますし、家電の大きさも買い替えのたびに変わります。

可動棚にしておけば、10年後に別の使い方ができます。追加費用はそれほど大きくありません。迷ったら可動棚。これは覚えておいて損のない判断基準です。

コンセントと収納はセットで考える

意外と見落とされるのが、収納の中のコンセントです。

掃除機の充電、Wi-Fiルーター、電話の子機、電動自転車のバッテリー、スマートフォンの充電。これらを収納の中で済ませられると、生活感が消えます。

着工前に「充電が必要なもの」を家族で書き出して、その置き場所を決めてください。後からコンセントを追加するのは、壁を開けることになります。

収納率という考え方

延床面積に対する収納面積の割合を「収納率」と呼ぶことがあります。ただし、この数字を追いかけることはおすすめしません。

先ほど書いたとおり、収納は場所の問題です。収納率が高くても、使う場所から遠ければ意味がありません。数字より、動線の中に収納があるかどうかで判断してください。

もし数字で確認したいなら、収納率ではなく「各部屋に、その部屋で使う物がしまえる場所があるか」をチェックリストにするほうが実用的です。

物を減らすという選択肢

収納を増やすほど、物は増えます。空いているスペースがあれば、そこは埋まります。

引っ越しは、持ち物を見直す数少ない機会です。新しい家の収納を設計する前に、今ある物のうち何を持っていくかを決めておくと、必要な収納量が正確に見えてきます。

使っていない家具、着ていない衣類、読まない本。これらを前提に収納を設計すると、その分だけ面積と費用がかかります。収納を1畳増やす費用と、物を手放す手間。どちらを選ぶかという問題です。

見学のときに、開けてみてください

モデルハウスでは、収納の扉を遠慮なく開けてみてください。それが正しい見方です。

  • 奥行き:奥まで手が届くか
  • 高さ:いちばん上に手が届くか
  • 扉の開き方:開けたときに通路をふさがないか
  • 棚が可動かどうか
  • コンセントの有無
  • 照明があるか:暗い収納は中身が見えません

とくに奥行きは重要です。深すぎる収納は、奥の物が行方不明になります。押入れの奥から何年も使っていない物が出てくる、というのはこれが原因です。

モデルハウスの収納は空っぽか、きれいに整えられています。ご自宅の実際の持ち物を思い浮かべながら見ると、必要な量が具体的に見えてきます。

よくある質問

収納は多ければ多いほどよいですか

いいえ。収納も床面積を使いますので、その分だけ建築費がかかり、居室が狭くなります。必要な量を、必要な場所に。これが基本です。

あとから増やせますか

置き家具で増やすことはできます。ただし部屋が狭くなり、地震のときの転倒リスクも増えます。造り付けにするなら、設計段階で決めておくほうが安全で見た目も整います。

和室の押入れは必要ですか

布団を使うかどうかで決まります。ベッドで寝るご家庭なら、押入れの深い奥行きは持て余すことがあります。奥行きの浅いクローゼットに変えるという選択肢もあります。

シルピアマイホームタウン東松山では、5社5棟のモデルハウスをご覧いただけます。毎月、親子で楽しめるワークショップやイベントも開催しています。ご予約なしでもご見学いただけますので、お気軽にお越しください。

収納を「量」で測らない

よく「収納率」という言葉が使われます。延べ床面積に対する収納面積の割合で、一戸建てなら12〜15%程度が目安とされます。

この数字は参考にはなりますが、絶対ではありません。同じ収納率でも、使いやすさはまったく違うからです。

大切なのは3つです。使う場所の近くにあるか取り出しやすい高さか奥行きが適切か

特に奥行きは見落とされがちです。奥行き90センチの押入れに衣類を入れると、奥のものが取り出せなくなります。衣類なら奥行き60センチ前後、本なら30センチ以下が適切です。深すぎる収納は、結局「奥に何かある」だけの空間になります。

しまうものを、先に数える

設計の前に、いま持っているものを数えてみることをおすすめします。

衣類は何メートル分のハンガーが必要か。本は何メートルの棚が必要か。食器は何箱分か。季節家電はいくつあるか。布団は何組か。

この作業は面倒ですが、やってみると「思ったより少ない」あるいは「思ったより多い」ことが分かります。そのうえで、増える見込み(子どもの成長、趣味の道具)を加えて必要量を決める。この順序で考えると、収納が過不足なく計画できます。

逆に、引越しは物を減らす絶好の機会でもあります。新居に持ち込む前に手放すものを決めておけば、必要な収納量そのものが減ります。

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