

なるほど家づくり
平屋という選択|メリットと弱点、必要な土地の広さ、コストの実際
ここ数年、平屋を希望される方が明らかに増えました。かつては「土地に余裕のある地方の家」というイメージでしたが、いまは子育て世代からも、これから夫婦二人で暮らす世代からも選ばれています。ただし、平屋には向き不向きがあり、コスト構造も2階建てとは違います。ここでは平屋の実際を整理します。
なぜ平屋が選ばれるのか
理由は大きく4つに整理できます。
第一に生活動線が短いこと。洗濯機から物干し場、キッチンから食卓、寝室から浴室——すべてが同じ階にあります。洗濯物を抱えて階段を上り下りする必要がありません。家事の負担は、想像以上に軽くなります。
第二に家族の気配が伝わること。2階建てでは、子どもが部屋にこもると顔を合わせる機会が減ります。平屋はリビングを中心に部屋が配置されるため、自然と顔を合わせる回数が増えます。小さなお子さまがいるご家庭では、家事をしながら様子を見ていられるという安心もあります。
第三に老後まで見通せること。階段がないというのは、年齢を重ねてから効いてきます。2階建てで、いずれ2階を使わなくなり1階だけで生活する——これは実際によくある話です。最初から平屋であれば、その無駄がありません。手すりの設置や車椅子への対応も、平屋のほうが容易です。
第四に構造的な安定。建物が低く重心も低いため、地震や台風に対して有利です。前述のとおり、建築基準法上も平屋かつ延べ面積200平方メートル以下は「新3号建築物」として扱われ、確認申請の手続きが2階建てより簡素です。
平屋は本当に高いのか
「平屋は坪単価が高い」とよく言われます。これは事実です。ただし理由を知っておくと、判断が変わります。
同じ延べ面積30坪の家を建てる場合、2階建てなら1階15坪・2階15坪。平屋なら1階が30坪です。基礎の面積と屋根の面積が、2階建ての倍になります。基礎工事と屋根工事は住宅の中でも単価が高い部分なので、その分だけ坪単価が上がるわけです。おおむね1〜2割高くなると考えておくとよいでしょう。
一方で、平屋のほうが安く済む部分もあります。階段が不要なので、その分の床面積と工事費が浮きます。足場が低く済むため、建築時の足場費用も、将来の外壁塗装の足場費用も抑えられます。2階へ水を上げる必要がないので、給排水の設備もシンプルです。
そして最大の要素が土地です。同じ30坪の家を建てるなら、平屋には2階建ての倍近い建築面積が必要になります。建ぺい率50%の地域で30坪の平屋を建てるには、単純計算で60坪の敷地が要ります。駐車場と庭を考えれば、70坪以上あると安心でしょう。土地価格の高いエリアでは、この差が建築費の差を大きく上回ります。
逆に言えば、東松山エリアのように比較的ゆとりのある土地が手に入る地域では、平屋の総額メリットが出やすいということです。
平屋の弱点と、その対策
中央部が暗くなりやすい
平屋の最大の課題は採光です。2階建てなら2階の窓から光が入りますが、平屋は外周部からしか光が入りません。奥行きが深い間取りにすると、家の中心が暗く、風も抜けにくくなります。
対策は3つあります。ひとつは中庭(コの字型・ロの字型)。建物の中央に外部空間をつくることで、内側からも光と風を取り込めます。プライバシーを保ちながら大きな窓を取れるのも利点です。ふたつめが天窓・ハイサイドライト。屋根に天窓を設けたり、壁の高い位置に窓を設けたりして、上から光を落とします。3つめが勾配天井。天井を屋根なりに高くすることで、高い位置の窓から光を入れられます。開放感も生まれます。
防犯とプライバシー
すべての部屋が地上階にあるため、寝室や浴室も外から近い位置になります。道路や隣家からの視線が気になりやすく、防犯面でも配慮が必要です。
対策としては、植栽や塀で視線を遮る、窓の位置を隣家の窓とずらす、防犯ガラスやシャッターを採用する、人感センサー付き照明を設ける、といった方法があります。設計段階で敷地の周囲を確認し、どこからどう見えるかを検討しておくことが大切です。
水害への備え
2階がないということは、水害時に垂直避難ができないということでもあります。ハザードマップで浸水想定区域に入っている土地では、この点を必ず検討してください。
対策としては、基礎を高くする、盛土をする、そもそも浸水想定区域を避ける、といった選択があります。東松山市のハザードマップは市の公式サイトで確認できますので、土地を決める前に必ずご覧ください。
屋根と外壁のメンテナンス
平屋は屋根面積が広いため、屋根の葺き替えや塗装の費用は2階建てより高くなります。ただし足場が低い分、外壁塗装の足場費用は抑えられます。トータルでは大きな差にならないことが多いのですが、屋根材の選定は慎重に行ってください。
間取りのつくり方
平屋の間取りには、いくつかの基本形があります。
I字型(長方形)は最もシンプルで、コストを抑えやすい形です。ただし細長くすると廊下が長くなり、面積効率が落ちます。
L字型は、二辺で庭を囲む形です。リビングから庭を眺められ、採光も取りやすくなります。プライベートな庭をつくりやすい形です。
コの字型・ロの字型は中庭を囲む形。採光と通風、プライバシーのすべてで有利ですが、外壁面積が増えるためコストは上がります。
どの形にせよ、平屋で意識したいのはゾーニングです。リビング・ダイニング・キッチンの「公」の空間と、寝室・子ども部屋の「私」の空間を、はっきり分けて配置します。全員が同じ階にいるからこそ、生活音や生活時間帯のずれを設計で吸収する必要があります。水回りをその中間に置くと、動線が短くまとまります。
もうひとつ、収納の考え方も変わります。2階建てなら階段下や2階のホールに収納を取れますが、平屋にはそれがありません。小屋裏収納やロフトを設ける、各部屋にウォークインクローゼットを分散させる、といった工夫で補います。
広さはどのくらい必要か
目安をお伝えします。夫婦二人であれば20〜25坪程度、子ども一人の3人家族で25〜28坪程度、子ども二人の4人家族で28〜33坪程度が、平屋としてよく選ばれる規模です。
平屋は階段と2階ホールが不要な分、同じ延べ面積でも実際に使える面積は2階建てより広くなります。階段と上下のホールで、2階建ては合計3〜4坪程度を消費しているためです。「2階建てで32坪だったから平屋も32坪必要」ではなく、少し小さくても足りることが多いのです。
必要な敷地面積は、建ぺい率から逆算します。建ぺい率50%で30坪の平屋なら敷地60坪、建ぺい率40%なら75坪。これに加えて、駐車スペース(1台あたり4〜5坪)、アプローチ、庭を考えます。東松山市内でも用途地域によって建ぺい率は異なりますので、土地を探す段階で確認してください。
平屋が向いている方・向いていない方
整理すると、次のようになります。
向いているのは、ある程度広い土地が確保できる方、家事動線をとにかく短くしたい方、将来のバリアフリーを最初から織り込みたい方、家族の気配を感じられる暮らしを望む方、そして庭やアウトドアリビングを楽しみたい方です。
慎重に検討したほうがよいのは、土地が狭い、または土地の価格が高いエリアで建てる方、浸水想定区域に土地がある方、家族それぞれの独立性を強く求める方、そして予算に余裕がない方です。
なお、折衷案として「平屋+小屋裏」「1.5階建て」という選択肢もあります。基本的な生活は1階で完結させ、小屋裏を収納や趣味の空間として使う形です。屋根の形状を活かすため、追加コストを抑えながら面積を確保できます。
実際に見て、体感してください
平屋の良し悪しは、図面ではなかなか伝わりません。天井の高さ、庭とのつながり、光の入り方、キッチンから家全体が見渡せる感覚——これらは実際に立ってみて初めて分かります。
シルピアマイホームタウン東松山では、5社5棟のモデルハウスをご覧いただけます。平屋をご検討中の方は、各社の担当者に「この土地の広さで平屋は可能か」「同じ広さの2階建てと比べていくら違うか」を具体的にお尋ねください。土地の資料をお持ちいただければ、より具体的なお話ができます。
出典・参考リンク
本記事の内容は、以下の公式情報にもとづいて作成しています。リンクは外部サイトに移動します。
※2026年9月時点で各公式サイトに公開されていた情報をもとにしています。制度・料金・時間は変更される場合がありますので、最新の情報は必ずリンク先の公式情報をご確認ください。
シルピアマイホームタウン東松山へ
シルピアマイホームタウン東松山では、5社5棟のモデルハウスをご覧いただけます。毎月、親子で楽しめるワークショップやイベントも開催しています。ご予約なしでもご見学いただけますので、お気軽にお越しください。