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東松山おすすめ情報

東松山名物「やきとり」完全ガイド|鶏じゃない、味噌だれの街の食べ方

東松山で「やきとり」を頼むと、鶏肉は出てきません。出てくるのは豚のカシラ肉です。串に刺して炭火で焼き、ピリ辛の味噌だれをつけていただく。これが東松山のやきとりです。

東松山市によると、市内には駅を中心におよそ50軒のやきとり店があります。人口9万人ほどの街としては、かなりの密度です。この記事では、東松山に越してきた方や、これから街を知りたい方に向けて、東松山やきとりの成り立ちから店選びのポイントまでをまとめました。

東松山の「やきとり」は、鶏ではありません

豚のカシラ肉を、味噌だれで

カシラ肉とは、豚のこめかみから頬にかけての部位です。よく動く部分なので歯ごたえがあり、脂と赤身のバランスがよいのが特徴です。東松山ではこれをネギと交互に串に刺し、炭火で焼きます。

分類上は「やきとん」にあたりますが、東松山では昔から「やきとり」と呼ばれてきました。地元の方は串そのものを「かしら」と呼ぶこともあります。

もうひとつの特徴が味噌だれです。焼いた串に、卓上の辛味噌を自分でつけていただきます。タレでも塩でもない、この味噌だれこそが東松山やきとりの核心です。

「日本三大やきとりの街」と呼ばれることも

北海道室蘭市、愛媛県今治市と並んで「日本三大やきとりの街」に数えられることがあります。いずれも鶏以外の部位を使う点が共通しています。

東松山駅の周辺を歩くと、暖簾を出した小さな店が点在しているのがわかります。夕方になると炭の匂いが漂い、この街の日常の一部になっていることが伝わってきます。

なぜ東松山でやきとりが根づいたのか

昭和30年代、行き場のなかった部位

東松山市がまとめた「名物やきとりのルーツ」によると、始まりは昭和30年代です。当時、カシラ肉は食用としてほとんど流通しておらず、ハムやウインナーなど加工肉の原料に回されるのが普通でした。

東松山には近隣に食肉センターがあり、この部位が安く、しかも新鮮な状態で手に入りました。安価な肉をどう食べさせるか。そこから東松山のやきとりが始まります。

味噌だれの誕生

市の資料には、複数の証言が併記されています。「この肉を朝鮮出身の方が屋台で焼いて出したのが始まり」という地元の精肉卸業者の証言があり、一方で「大松屋の初代店主が、唐辛子入りの味噌だれと組み合わせたことで広がった」とする記述もあります。

大松屋の初代は在日朝鮮人一世の方で、故郷で豚肉を辛いたれで食べていた記憶をもとに味噌だれを考案したと伝えられています。寄居町でホルモン焼きの屋台を始めたのが昭和31年、東松山へ移ったのが昭和36年ごろ。当初のたれは今とは違い、甘だれの上から辛味噌をつける形だったそうです。現在のような粘り気のある味噌だれになったのは昭和40年代とされています。

つまり、ふたつの説は対立するものではなく、ひとつの流れとして読むことができます。市の資料も断定はせず、証言をそのまま載せています。

全国初とされる「焼鳥組合」

東松山には「東松山焼鳥組合」があります。市によれば20軒以上が加盟し、豚のカシラ肉を共同で仕入れ、値段をそろえてきました。

組合ができたのは昭和30年代。当初は7店ほどの集まりだったといいます。肉を安定して仕入れ、店ごとに値段がばらつかないようにするための組織でした。観光協会は、これが全国で初めての「焼鳥組合」だったと紹介しています。

味を競いながら仕入れは協力する。この関係が、50軒という店舗数を支えてきた土台といえます。

味噌だれは、店ごとに違います

白みそに10種類以上のスパイス

東松山市と商工会の資料によれば、味噌だれは白みそをベースに、唐辛子、ニンニク、ごま油、みりん、果物など10種類以上のスパイスをブレンドしてつくられます。配合は店ごとの秘伝で、公開されていません。

辛さの強さ、甘みの有無、ニンニクの効き方。実際に食べ比べると、同じ「東松山の味噌だれ」でもずいぶん印象が違います。塩気と熟成感が前に出る店もあれば、ほのかな甘みを感じる店もあります。

市も「食べ歩いて好みを探す」ことをすすめています。1軒で東松山のやきとりを知ったつもりにならないほうが楽しめます。

家でも使える市販の味噌だれ

味噌だれは商品としても売られています。東松山のやきとり店が展開する通販では、瓶詰めの味噌だれのほか、味噌だれを使ったせんべいなども扱われています。

お土産にも向きますし、家で豚肉を焼くときに使うと、東松山の味が食卓で再現できます。引っ越しのご挨拶や、遠方のご家族への贈り物として選ばれることもあるようです。

初めて行くときに知っておきたいこと

「やきとり」と頼めばカシラが出てきます

店によっては「ねぎま」と注文しても出てくるのはカシラです。鶏を期待していると戸惑いますが、それが東松山の標準だと思っておけば問題ありません。

注文システムも店によって違います。席に着くと自動的にやきとりが出てくる店、まずカシラを何本か持ってきてくれる店。初めての店では、周りの様子を見てから頼むと安心です。

味噌だれは自分でつけます

焼き上がった串に、卓上の味噌だれをつけていただきます。つける量は自由ですが、唐辛子が入っているので、辛さが苦手な方は少量から試してください。

お子さまと一緒の場合は、味噌だれをつけずに食べさせるという選択もあります。素焼きのカシラだけでも十分においしくいただけます。

開店は夕方から。売り切れ次第終了の店も

東松山のやきとり店は、16時から17時ごろに開店する店が多くあります。昼に食べたい場合は、昼営業をしている店かテイクアウト専門店を選ぶ必要があります。

また、その日の仕入れ分がなくなると閉める店もあります。とくに老舗の小さな店は早じまいすることがあるので、目当ての店があるなら早めの時間に向かうのが確実です。

子ども連れで行くなら、店選びに注意が必要です

18歳未満は入れない店があります

ここは正直にお伝えしておきます。東松山のやきとり店には、18歳未満の入店を断っている店があります。お酒を中心に営業している店では、公式サイトにその旨を明記しているところもあります。

「東松山名物だから家族で行こう」と何も調べずに向かうと、入口で引き返すことになりかねません。お子さま連れで行かれる場合は、必ず事前にその店の方針を確認してください。

小さなカウンターだけの店も多く、ベビーカーが入りにくい、座敷がないといった物理的な制約もあります。

昼から入れる店・テイクアウトという選択

一方で、11時台から営業して食事として利用できる店や、テイクアウトを併設している店もあります。駅前には持ち帰り専門の店もあり、予約しておけば時間どおりに受け取れます。

お子さまが小さいうちは、買って帰って家で食べるのがいちばん気楽かもしれません。公園やイベントに持っていくという楽しみ方もあります。

なお、営業時間や定休日、入店の条件は変わることがあります。この記事の情報も取材時点のものですので、お出かけの前に各店の公式サイトや電話でご確認ください。

食べ歩きの楽しみ方

1軒で終わらせない

味噌だれが店ごとに違う以上、東松山のやきとりは1軒では語れません。2軒、3軒とはしごして、はじめて「自分の好きな味噌だれ」が見つかります。

とはいえ、どの店も串は1本から頼めます。1軒目で数本だけ食べて次へ、という回り方が現実的です。

やきとりマップを手に入れる

東松山市は「やきとりマップ」を作成しています。市の商工観光課(0493-21-1427)が窓口で、市の公式サイトからも入手できます。

組合の公式サイトにも加盟店の一覧が掲載されています。ただし住所や電話番号が載っていない店もあるので、気になる店は名前で検索してから向かうとよいでしょう。

ちなみに、11月に開かれる日本スリーデーマーチの期間中は、市内の飲食店が大変混み合います。歩いたあとの一串を楽しみにしている方も多いので、この時期は特に早めの行動をおすすめします。

タイプ別・店の選び方

東松山のやきとり店は数が多く、はじめは選びようがありません。目的別に整理しておきます。なお、店名・所在地は取材時点のもので、営業時間や定休日は変わることがあります。お出かけ前に必ずご確認ください。

元祖の味を知りたいなら

味噌だれの発祥とされるのが、材木町の大松屋です。1956年に寄居町の屋台として始まり、その後東松山へ移ってきました。現在は初代のお孫さん世代が店を守っています。

夕方からの営業で、その日の分がなくなり次第閉店します。確実に食べたいなら開店直後を狙ってください。

昼から食べたいなら

箭弓町の三金は駅から徒歩3分ほど、11時から営業しています。一本ずつ炭で焼く昔ながらのスタイルで、団体の予約にも対応しています。

同じく箭弓町、駅から徒歩1分のさいたまや東松山駅前店も昼から利用できます。テイクアウトカウンターを併設しているので、その場で食べるか持ち帰るか、当日決められます。

持ち帰りたいなら

箭弓町のやきとりおおきはテイクアウト専門店です。駅西口から徒歩2分ほど、駐車場もあります。事前に電話で予約しておけば、待たずに受け取れます。

三金やさいたまやでもテイクアウトができます。イベントやピクニックに持っていくなら、こうした持ち帰り対応の店が便利です。

じっくり味わいたいなら

神明町のやきとり桂馬は、焼き置きをせず注文を受けてから焼く店です。全席禁煙で、串の一本一本に手をかけています。

ただし18歳未満は入店できません。箭弓町の若松屋も同様です。どちらも東松山を代表する店ですが、お子さま連れでは入れませんのでご注意ください。

このほか、箭弓町のとくのやは席に着くと自動的にやきとりが出てくる独特のスタイル、柏崎のやきとりまろんは塩気と熟成感の強い自家製味噌が持ち味です。

味噌だれをもっと楽しむ

家で東松山の味を再現する

市販の味噌だれを手に入れれば、家でも東松山の味が楽しめます。豚のカシラ肉が手に入りにくければ、豚トロや豚バラでも近い味わいになります。

串に刺さなくても構いません。フライパンで焼いた豚肉に味噌だれを添えるだけで、十分に東松山らしい一皿になります。ネギを多めに添えるのがコツです。

やきとり以外にも合います

味噌だれは万能調味料としても使えます。焼いた野菜、冷ややっこ、おにぎりに塗って焼く。辛味とコクがあるので、少量でも味が決まります。

お子さまがいるご家庭なら、辛くない味噌だれを別に用意して、大人と使い分けるという手もあります。ゆず入りなど辛さの穏やかな商品も売られています。

よくある質問

鶏のやきとりは食べられませんか

鶏を出す店もありますが、東松山では豚のカシラが主役です。「やきとり」と頼めばカシラが出てくる前提で、鶏が食べたい場合はその旨をはっきり伝えてください。

辛いものが苦手でも大丈夫ですか

味噌だれは自分でつけるものなので、量を調整すれば問題ありません。まったくつけずに、塩だけで食べる方もいます。素焼きのカシラそのものがおいしいので、たれなしでも十分に楽しめます。

予約は必要ですか

小さな店が多いので、人数がまとまる場合は電話しておくほうが確実です。とくに週末の夕方や、市内でイベントがある日は混み合います。

駐車場はありますか

駅周辺の店は駐車場を持たない場合が多く、近隣のコインパーキングを利用することになります。お酒を飲まれる場合は、そもそも車以外の手段を選んでください。東松山駅から徒歩圏に店が集まっているので、電車でのアクセスが現実的です。

名物がある街に暮らすということ

東松山のやきとりが半世紀以上続いてきたのは、行き場のなかった部位をおいしく食べる工夫が生まれ、それを店同士が競い合いながら守ってきたからです。組合をつくって仕入れを支え合う一方で、味噌だれの配合はそれぞれが磨いてきました。

こういう名物がある街には、外から来た人が入っていくきっかけがあります。「どこの店がおいしいですか」と聞けば、たいていの人が自分の推しを教えてくれます。引っ越してきたばかりの方にとって、これはありがたい会話の糸口です。

シルピアマイホームタウン東松山では、5社5棟のモデルハウスをご覧いただけます。毎月、親子で楽しめるワークショップやイベントも開催しています。モデルハウス見学の帰りに、市内のやきとり店に立ち寄ってみてください。街の空気は、住宅を見るだけではわからない部分にあらわれます。

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