

なるほど家づくり
家の維持費とメンテナンス計画|30年でいくらかかるか、項目別に整理
家づくりの資金計画で見落とされがちなのが、建てたあとにかかるお金です。住宅ローンの返済額は毎月わかりますが、税金、保険、修繕、設備の交換にいくらかかるかを事前に把握している方は多くありません。ここでは、新築住宅を30年間持ち続けたときにかかる費用を、項目ごとに整理します。
毎年かかるお金
固定資産税・都市計画税
土地と建物を所有していると、毎年課税されます。税額は固定資産税評価額に税率を掛けて計算し、固定資産税の標準税率は1.4%、市街化区域内では都市計画税が最高0.3%加わります。
新築住宅には軽減措置があります。一定の要件を満たす新築住宅は、建物部分の固定資産税が一定期間2分の1に減額されます。また住宅用地には、200平方メートルまでの部分について課税標準を6分の1にする特例があります。
注意していただきたいのは、新築住宅の軽減期間が終わると税額が上がることです。「今年から急に高くなった」と驚かれる方が毎年いらっしゃいます。あらかじめ知っておけば、備えられます。金額の目安は物件によりますが、年間10万〜20万円程度になることが多いでしょう。正確な額は東松山市の税務担当窓口でご確認ください。
火災保険・地震保険
火災保険は住宅ローンを組む際にほぼ必須です。最長5年の契約で、保険料は建物の構造、補償範囲、水災を付けるかどうかで大きく変わります。年額に換算すると2万〜5万円程度が一つの目安です。
地震保険は火災保険とセットでしか加入できません。保険金額は火災保険の30〜50%の範囲で、建物5,000万円・家財1,000万円が上限です。地震による損害は火災保険では補償されないため、加入をおすすめします。
前述のとおり、耐震等級2で30%、耐震等級3で50%の割引があります。長期にわたって支払うものなので、この差は無視できません。
光熱費
意外に大きいのがここです。同じ延べ面積でも、断熱性能によって冷暖房費は大きく変わります。断熱等性能等級4の住宅と等級6の住宅では、年間の冷暖房費に数万円の差が出るという試算もあります。
30年で考えれば、この差は数十万円から百万円単位になります。建築時に断熱性能を上げる追加費用と、30年間の光熱費削減額を比べて判断する——これが正しい考え方です。断熱は「快適さ」の話であると同時に、「ランニングコスト」の話でもあります。
周期的にかかるお金——30年のメンテナンス表
住宅は、部位ごとに寿命が違います。おおよその周期と費用の目安を整理します。金額は30坪程度の一般的な木造2階建てを想定した概算で、仕様や地域、施工会社によって変わります。
築5〜10年
シロアリ防除の再施工が10万円前後。給湯器の不調が出始めるのもこの頃です。クロスの継ぎ目や建具の調整も発生します。この時期は多くの会社で無償点検の対象なので、必ず受けてください。
築10〜15年
この時期に、最初の大きな出費が来ます。
外壁塗装が80万〜150万円程度。屋根塗装が40万〜80万円程度。足場代(15万〜25万円程度)がかかるため、外壁と屋根は同時に行うのが定石です。バルコニーの防水も同じタイミングで見直します。
あわせて給湯器の交換が20万〜40万円程度。エアコンの交換も始まります。合計すると、この時期に150万〜250万円程度を見込んでおく必要があります。
築15〜25年
住宅設備の交換期です。キッチンが80万〜150万円程度、浴室(ユニットバス)が80万〜150万円程度、洗面化粧台が20万〜40万円程度、トイレが15万〜30万円程度。すべて一度に替えると300万円を超えます。
クロスの張り替えも、この時期に全面的に行うことが多くなります。30坪の家で50万〜100万円程度です。
築20〜30年
2回目の外壁・屋根の塗装が来ます。屋根材によっては塗装ではなく葺き替えやカバー工法が必要になり、その場合は100万〜250万円程度かかります。
サッシや玄関ドアの交換、床材の張り替えを検討する時期でもあります。断熱リフォームを組み合わせると、光熱費の改善と快適性の向上を同時に得られます。
30年でいくら必要か
項目を積み上げると、30年間のメンテナンス費用はおおむね500万〜800万円程度になります。年間に均すと、月1万5,000円から2万円程度を積み立てておく計算です。
マンションでは修繕積立金として毎月強制的に徴収されますが、戸建てにはその仕組みがありません。だからこそ、自分で積み立てておく必要があります。住宅ローンの返済額だけで家計を組んでしまうと、10年後の外壁塗装で慌てることになります。
この積立を資金計画に最初から組み込んでおくことを、強くおすすめします。「毎月の返済額が10万円だから大丈夫」ではなく、「返済10万円+積立2万円で12万円」で考えてください。
建てるときの選択で、維持費は変わる
ここからが本題です。維持費は運命ではなく、設計と仕様の選択で相当程度コントロールできます。
外壁材。窯業系サイディングは初期費用が抑えられますが、10〜15年ごとの塗装とシーリングの打ち替えが必要です。タイルは初期費用が高い一方、塗装が不要で長寿命。ガルバリウム鋼板も塗り替え周期が長めです。30年で見たときの総額で比べると、順位が入れ替わることがあります。
屋根材。スレートは安価ですが塗装が必要。ガルバリウム鋼板は軽くて耐久性が高く、耐震面でも有利です。瓦は非常に長寿命ですが重量があるため、構造の設計に配慮が要ります。
シーリング(コーキング)。外壁材の継ぎ目を埋める部材で、一般的なものは10年程度で劣化します。高耐久タイプを選ぶと、次の塗装まで持たせられる場合があります。地味ですが、確認する価値のある部分です。
建物の形。凹凸が多く、外壁面積が大きい家ほど、塗装費用は上がります。総二階(1階と2階が同じ大きさ)のシンプルな形は、建築費もメンテナンス費も抑えられます。バルコニーを設けなければ、防水工事の費用と雨漏りのリスクを減らせます。
庭と外構。芝生の庭は美しいものの、夏場は毎週の手入れが必要です。植栽は成長し、剪定費用がかかります。管理にどれだけ時間とお金をかけられるかを踏まえて計画してください。
点検の仕組みを確認しておく
住宅会社の多くは、引き渡し後に定期点検を実施しています。3か月、1年、2年、5年、10年といったタイミングが一般的です。
注意したいのは、長期保証の継続条件です。「30年保証」を掲げていても、10年目・20年目に指定の有償メンテナンス(外壁塗装や防蟻処理など)を受けることが条件になっているのが通例です。その工事を他社で行うと保証が切れる場合もあります。
契約前に、次の3点を確認しておいてください。点検はいつ、何回あるか。保証を継続するために必要な有償工事は何で、いくらかかるか。その工事を他社に依頼した場合、保証はどうなるか。
維持費を「見える化」してから建てる
住宅は、買ったら終わりの買い物ではありません。30年、40年と付き合っていくものです。
だからこそ、建てる前に「この家を30年持ち続けたら、いくらかかるか」を一度計算してみることをおすすめします。住宅ローンの総返済額、固定資産税、保険料、光熱費、メンテナンス費用。これを合計した数字が、この家の本当のコストです。
この計算をすると、判断が変わることがあります。初期費用を100万円かけて断熱性能を上げたほうが、30年の光熱費で元が取れる。外壁を安いものにして10年後に困るより、最初に良いものを入れたほうが総額は安い——こうした判断が、数字で見えてきます。
シルピアマイホームタウン東松山では、各社の担当者に維持費についても直接お尋ねいただけます。「この仕様だと、10年後・20年後に何がいくらかかりますか」という質問は、会社の姿勢がよく分かる質問でもあります。
リフォームのタイミングをどう決めるか
メンテナンスの話に関連して、リフォームの考え方にも触れておきます。
リフォームには2種類あります。ひとつは維持のためのリフォーム——外壁塗装、屋根の葺き替え、設備の交換。これらは劣化に応じて必要になるもので、先送りすると被害が広がります。
もうひとつは暮らしを変えるためのリフォーム——間取りの変更、断熱改修、バリアフリー化。こちらは家族の変化に応じて行うものです。
効率が良いのは、この2つをまとめて行うことです。たとえば外壁を触るタイミングで断熱改修も行う。浴室を交換するタイミングで、脱衣室の断熱と手すりの設置も済ませる。足場代や工事の重複を減らせます。
そのためにも、いつ何が必要になるかを一覧にしておくことが役立ちます。引き渡し時に住宅会社からメンテナンススケジュールを受け取り、それをもとに積立計画を立てておいてください。
国や自治体には、断熱改修や耐震改修に対する補助制度が用意されていることがあります。工事を計画する段階で、その時点の制度を確認してみてください。
出典・参考リンク
本記事の内容は、以下の公式情報にもとづいて作成しています。リンクは外部サイトに移動します。
※2026年9月時点で各公式サイトに公開されていた情報をもとにしています。制度・料金・時間は変更される場合がありますので、最新の情報は必ずリンク先の公式情報をご確認ください。
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