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なるほど家づくり

間取りの決め方|部屋数から決めない、動線で考える家づくり

間取りの打ち合わせは、家づくりでいちばん楽しく、いちばん迷う工程です。要望を出せば出すほど図面は複雑になり、どこかで必ず取捨選択を迫られます。

この記事では、間取りを決めるときの考え方の順番と、後悔しやすいポイントを整理しました。図面を前にして「これでいいのか分からない」と感じたときに、立ち返る基準として使っていただければと思います。

間取りは「部屋の数」から決めないでください

最初の打ち合わせで「3LDKで」と伝える方が多いのですが、部屋の数から入ると、暮らし方が後回しになります。

3LDKという枠が先にあると、それに合わせて生活を押し込むことになります。本当は寝室を広く取りたかったのに、部屋数を確保するために全部が中途半端な広さになる。よくある展開です。

先に決めるべきは、「この家で毎日どう過ごしたいか」です。朝は誰がどの順番で起きて、どこで支度をするのか。夜は家族がどこに集まるのか。休日は何をするのか。ここが決まると、必要な部屋の数と広さは自然に導かれます。

まず、今の暮らしの不満を書き出す

不満は、そのまま設計条件になります

理想を語るより、不満を挙げるほうが具体的です。「洗濯物を干す場所が遠い」「玄関が狭くてベビーカーが置けない」「冬にお風呂が寒い」。こうした一つひとつが、そのまま設計の条件になります。

理想を語ると「広いリビング」「明るい家」といった抽象的な言葉になりがちですが、不満は具体的です。設計者にとっても扱いやすい情報です。

家族それぞれに書いてもらう

夫婦で不満が違うことは珍しくありません。片方は収納が足りないと感じ、もう片方は音が気になっている。書き出して並べてみると、優先順位のずれが見えてきます。

お子さまが小学生以上なら、本人の希望も聞いてみてください。子ども部屋の使い方について、大人が想像するものと違う答えが返ってくることがあります。

動線は3本に分けて考える

間取りの良し悪しは、動線でほぼ決まります。3つに分けて確認してください。

家事動線

キッチン、洗濯機、物干し場、収納。この4か所をどう結ぶかが、毎日の負担を左右します。とくに洗濯は「洗う・干す・たたむ・しまう」の4工程があり、それぞれの場所が離れているほど手間が増えます。

料理をしながら洗濯を回す、という同時進行を想定してみてください。キッチンから洗面脱衣室まで何歩か。図面に線を引いてみると、無駄な移動が見えてきます。

生活動線

朝起きてから出かけるまで、帰宅してから寝るまでの動きです。家族が同じ時間帯に同じ場所を使うと渋滞が起きます。

とくに朝の洗面所は要注意です。人数分の身支度が同じ場所に集中します。洗面台を2ボウルにする、あるいは洗面所と脱衣所を分けるという解決策があります。

来客動線

お客さまが玄関からどこを通ってどこに座るか。この途中に、見せたくない場所が入っていないかを確認してください。

洗面所の前を通る、寝室のドアが見える、洗濯物が視界に入る。設計段階では気づきにくく、住み始めてから気になる部分です。

リビングの位置で、家全体が決まります

日当たりだけで決めない

南向きのリビングが良いとされますが、実際には道路の位置や隣家との距離で条件が変わります。南に隣家が迫っていれば、南向きでも光は入りません。

土地を見るときは、周囲の建物の高さと距離を必ず確認してください。将来隣が建て替える可能性も含めて考える必要があります。

階段の位置

リビング階段にするかどうかは、よく議論になる論点です。子どもが必ずリビングを通るという利点がある一方、冷暖房の効率が落ちる、音が伝わるという面もあります。

断熱性能の高い家であれば冷暖房の問題は小さくなります。ここでも住宅性能が間取りの自由度に影響してきます。

キッチンからの見通し

小さなお子さまがいるご家庭では、キッチンに立ったときにリビングと庭が見えるかどうかが日常の安心感を左右します。

ただしお子さまが成長すれば、この条件の重要度は下がります。10年後、20年後にどう使うかも合わせて考えてください。

子ども部屋をどう考えるか

実際に使う期間は、意外と短い

子ども部屋を本格的に使うのは、小学校高学年から高校卒業までというご家庭が多いようです。その後は独立して空き部屋になることもあります。

つまり数十年住む家の中で、子ども部屋として機能するのは10年前後ということです。そこに大きな面積を割くかどうかは、判断が分かれるところです。

あとで仕切れるようにしておく

広い1部屋として作っておき、必要になったら間仕切りで2部屋に分ける。この方式なら、使わない時期は広く使えます。

この場合、照明・コンセント・窓・ドアを最初から2部屋分用意しておくことが必要です。あとから増やすのは手間も費用もかかります。

広さの目安

ベッド、机、収納を置くことを考えると、一般的には4.5畳から6畳が選ばれます。狭いと感じるかどうかは、収納を部屋の外に取れるかどうかで変わります。

水回りの配置

洗濯動線をどこまで短くするか

洗面脱衣室に室内干しのスペースを設ける、あるいは隣にファミリークローゼットを配置する。この形にすると、洗濯の4工程がほぼ1か所で完結します。

ただし面積は必要です。他の場所を削ってでもここに割く価値があるかは、洗濯の頻度と量によります。

浴室と脱衣所の寒さ

冬のヒートショックを避けるには、脱衣所を暖められる状態にしておくことが大切です。暖房機器を設置する場合は、電源の位置を設計段階で決めておいてください。

消費者庁の注意喚起でも、入浴前に脱衣所と浴室を暖めておくことが対策として挙げられています。断熱性能を上げることは、この面でも効いてきます。

トイレの数と位置

2階建てで2か所設けるかどうかは、家族の人数と生活時間帯によります。1か所にして、その分を他に回すという判断もあります。

位置については、リビングやダイニングのすぐ隣は避けるのが一般的です。音とにおいの問題があります。

後悔しやすいポイント

打ち合わせでは見落とされがちですが、住み始めてから効いてくる部分です。

  • 廊下が多い間取り:面積を使う割に、そこでは何もできません
  • コンセントの数と位置:家具を置いたら隠れた、という失敗が非常に多い箇所です
  • 窓と隣家の関係:窓を開けたら隣の窓と向き合っていた、という例があります
  • 玄関の収納:ベビーカー、傘、部活の道具。玄関に置きたいものは想像より多いものです
  • ゴミ箱の置き場所:キッチンのどこに置くかは、図面には描かれません
  • 掃除機やロボット掃除機の置き場:コンセントが必要です

とくにコンセントは、図面が固まってからでも追加できる項目です。着工前に家具の配置図を作り、その上でコンセントの位置を見直すことをおすすめします。

打ち合わせで伝えるコツ

「なぜそうしたいか」を添える

「対面キッチンにしたい」とだけ伝えると、その形しか提案されません。「子どもの様子を見ながら料理したい」と伝えれば、対面キッチン以外の解決策も出てきます。

要望ではなく目的を伝える。これだけで提案の幅が変わります。

優先順位を数字でつける

すべての要望は叶いません。予算にも面積にも上限があります。だからこそ、事前に順位をつけておくと判断が早くなります。

夫婦で順位が違う場合は、そこを打ち合わせの前に話し合っておいてください。設計者の前で意見が割れると、時間が余計にかかります。

平屋か、2階建てか

平屋が選ばれる理由

近年、平屋を希望される方が増えています。階段がないので上下移動の負担がなく、老後まで同じ生活動線で暮らせること、家族の気配が伝わりやすいことが理由です。

一方で、同じ延床面積なら平屋のほうが基礎と屋根の面積が大きくなるため、建築費は割高になる傾向があります。また、必要な敷地面積も大きくなります。

2階建ての利点

限られた敷地で床面積を確保できること、上下で用途を分けられることが利点です。1階を生活の中心、2階を寝室と子ども部屋にすれば、来客時にプライベートな空間を見せずに済みます。

土地の広さと予算、そして何歳まで住むかを合わせて考えてください。東松山は都心部に比べて土地に余裕がありますので、平屋という選択肢が現実的に検討できるエリアです。

20年後の暮らしを想像する

子どもが独立したあと

子ども部屋が空いたとき、その部屋をどう使うか。趣味の部屋にする、書斎にする、夫婦それぞれの寝室にする。使い道が思いつく間取りにしておくと、家が長く生きます。

逆に、2階に上がらなくなると、階段より上が物置になってしまうことがあります。将来1階だけで生活が完結するかどうかは、確認しておく価値があります。

親との同居の可能性

今は考えていなくても、将来ご両親と同居する可能性がゼロでないなら、1階に1部屋を確保できる間取りにしておくと選択肢が残ります。

和室をひとつ設けておく、あるいはリビングの一角を将来仕切れるようにしておく。こうした余白が、後で効いてきます。

よくある質問

図面が何度も変わって不安です

打ち合わせの中で図面が変わるのは正常です。むしろ一度で決まるほうが珍しいと考えてください。

ただし、変更のたびに「何を優先して変えたのか」を確認してください。理由が説明できない変更が続く場合は、要望の伝え方を見直したほうがよいかもしれません。

オンラインの間取りシミュレーターは役に立ちますか

自分の希望を整理する道具としては有効です。ただし構造上の制約や法規制は反映されないため、そのまま建てられるとは限りません。

作った図面を打ち合わせに持っていくと、「なぜこの形にしたいのか」が伝わりやすくなります。答えではなく、意図を伝える材料として使ってください。

間取りは何回くらい打ち合わせしますか

会社や規模によりますが、基本設計だけで数回、細部を詰める段階を含めると十数回に及ぶこともあります。

打ち合わせの回数が多いほど良い家になるわけではありません。優先順位が明確なら、回数は減ります。準備の質が、打ち合わせの効率を決めます。

他社の間取りを持ち込んでもいいですか

参考として見せること自体は問題ありませんが、そのまま再現を求めるのは避けたほうがよいでしょう。構造や工法が違えば、同じ間取りが成立しないことがあります。

「この部分が気に入っている」と要素を切り出して伝えるほうが、建設的な提案が返ってきます。

モデルハウスで確認すべきこと

図面では分からないことが、実物では一目で分かります。

  • 廊下やドアの幅:実際に歩いてみる
  • 階段の勾配:上り下りしてみる
  • 天井の高さ:数字より体感
  • キッチンの高さ:立ってみる
  • 収納の奥行き:手が届くか
  • 窓からの視線:外から中がどう見えるか

メジャーを持っていくと、今お使いの家具が入るかを実寸で確認できます。「この幅ならソファが置ける」と分かるだけで、間取りの検討が具体的になります。

シルピアマイホームタウン東松山では、5社5棟のモデルハウスをご覧いただけます。毎月、親子で楽しめるワークショップやイベントも開催しています。ご予約なしでもご見学いただけますので、お気軽にお越しください。

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